
ここに紹介する内容は公益財団法人東京防犯協会連合会発行の『家庭と防犯』で特集された記事です。都内の刑法犯認知件数は平成15年以降一貫して減少しておりますが、特殊詐欺被害は厳しい状況にあります。自宅の戸締まりを在宅中でもしっかり行っていただくように、また留守番電話設定や迷惑電話防止機能を活用して、自宅の電話にも鍵をかけて、犯人からの電話に出ないようにしましょう。警視庁で推進している特殊詐欺被害防止に向けた各種対策にご協力いただくことをお願いします。

侵入窃盗の状況 令和三年に認知した侵入窃盗は2,254件で、前年と比較して895件(28.4%)減少しました。また、令和三年には、緊急事態宣言下の営業自粛店舗に対する「出店荒し」等が見られました。侵入窃盗は、犯人が住宅や事務所等の建物内に侵入して犯行に及ぶことから、家人等が犯人と鉢合わせになる危険があります。皆様一人一人が被害に遭わないよう、十分な防犯対策が必要です。
住宅対象侵入窃盗の状況 侵入窃盗のうち、住宅を対象とした侵入窃盗の認知件数は903件で、前年と比較して538件(37.3%)減少しました。※住宅対象窃盗とは、一戸建て住宅や共同住宅を狙う「空き巣」「忍込み」「居空き」のことをいいます。

侵入窃盗四つの特徴
手口の特徴 住宅対象侵入窃盗の各手口が占める割合は、前年と比べて大きな変化はありませんが、依然として、家人が留守の間に侵入し、金品を窃取得する「空き巣」の被害が一番多く、71.2%を占めています。次いで、夜間、家人が就寝したころを見計らい侵入し、金品を窃取する「忍込み」が20.3%、家人が在宅し、昼寝、食事等をしている隙に侵入し、金品を窃取する「居空き」が8.5%となっています。
場所の特徴 住宅対象侵入窃盗の場所別割合は、三階建て以下の住宅と一戸建て住宅で、それぞれ全体の約四割の被害があり、四階建て以上の住宅が約二割を占めています。
侵入口の特徴 出入口から侵入された被害が全体の56.4%で、窓から侵入された被害が43.6%を占めています。
侵入手段の特徴 無締まり箇所から侵入された被害が最も多く、全体の60.0%を占めており、次いで、ガラスを破って侵入された被害が19.4%となっています。
○防犯対策○
◼️短時間の外出(ゴミを出しや買い物)でも、必ず戸締まりをする。
◼️自宅の鍵は、郵便受けや植木鉢の下などに隠さず、必ず持ち歩く。
◼️旅先で自分が旅行していることをリアルタイムでSNSにアップして自宅が留守なことを世間に知らせない。
◼️玄関ドアをツーロックにする、窓ガラスに防犯フィルムを貼付けする、窓枠に補助錠を取り付けるなどして、建物開口部の防犯性を高める。

特殊詐欺犯人によるアポ電話強盗
アポ電強盗に注意 昨年、都内では、特殊詐欺犯人から自宅にかかってきた電話に、現金保管状況を教えてしまい、後日、犯人に押し入られ、現金を奪われてしまう、いわゆる「アポ電強盗」が発生しています。犯人は、在宅中の家人に刃物を突きつけ、現金等を奪うなど、その犯行は極めて凶悪です。また、強盗の被害にあわなくても、現金の保管状況を把握した犯人が電話で宅配業者を装い、「自宅がわからないから近くまで荷物を取りに来てほしい」等と嘘をいい、外におびき出した上、留守宅を狙って泥棒に入るケースもあります。次の防犯対策を確実に行い「アポ電強盗」の被害に遭わないようにしてください。
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日頃の心がけ
◼️常に、留守番電話に設定し、相手を確認の上、知人であれば電話をかけ直す。
◼️自宅に多額の現金を保管しない。
◼️現金を保管している場合は、金融機関等へ預金する。
◼️電話でお金の話、特に自分の財産や保管状況の話をしない。
現金の保管状況を聞かれた場合
◼️いったん電話を切り、必ず電話をかけてきた相手方(息子・警官等)に確認するととも に、110番通報をする。
◼️可能であれば親族宅等へ避難をする。
訪問者があった場合
◼️昼間帯や在宅中であっても玄関ドアを必ず施錠しておく。
◼️インターホンやドアスコープで訪問者を確認する。
◼️ドアを開ける際は、一旦ドアガードをかけたままで対応する。
出典 公益財団法人東京防犯協会連合会発行『家庭と防犯』第75巻3月号